出発前の出来事。
28日 | 29日 | 30日 | 31日 | 旅行後記 |
まず、どうせ兵役を済ませる前に行くのは今度が最後でしょうから、ここでちょっと兵役を済ませていない韓国の男子が日本に行くのがどれだけ面倒な事か少し紹介(?)をしてみる事にします。面白くないんなら旅行記の1日目に飛んじゃって下さいね。
ご存知かどうかは判りませんが、一応韓国はまだ北朝鮮と戦争中の国であり、戦争が終わってるわけではないのです。まあ、いわゆる休戦中ってわけですね。実際はもう殆ど半世紀ぐらい休戦状態が続いてるので皆結構平和ボケしていて、政治家なんかは毎日馬鹿やってる始末なんですが、とにかく戦争中の国なわけです。
従ってこの国の成年の男たる者はどこかかなり故障(?)していて戦争んときあまり役に立ちそうもないやつか、そいつが消えるとその家庭の生計が物凄く困ってしまいそうな人か、余程強力なコネでも持ってないかぎり、兵役の義務と言って大体2年ぐらいを軍隊で棒に振って来る必要があります。
そういうわけでその兵役の義務とかを果していない人が国外へ旅行でも行かんとすれば、「こいつ、もしかして海外へ逃亡でもいくんじゃないのか?」と疑われ、色々ややこしい準備とか書類が必要になるわけです。それでその準備がどれだけ面倒くさいかと言うと。
先ずはこいつが外国へ逃げないと言う保護者(主に親になるでしょうね。)と親以外の保証人の帰国保証が必要です。その内容の阿呆らしさといえばこれ以上無いくらい無茶なもので「こいつがもし帰って来なかった場合、保証人は公職から強制に辞退され、3千万ウォン以下の罰金を払い、以後の経済、金融活動、海外出国等において多大な制約を受ける」というものです(韓国の大卒者の初俸が年俸で1500万ぐらいだという事を考えればこれがどのくらい無茶な事なのか良く判ります。)。それでその保護者と保証人はその罰金を払えるくらいの財産があるのかを確認する為、一定基準以上の土地税と財産税を払った課税証明書を付ける必要まであります。それにうちみたいな貧乏な家庭で親の財産がその一定基準に満たない場合保証人がもう一人必要になります。でもなにせ内容がああなもんですから余程親しい人でもない限り誰も保証人になろうとはしますん。^^;。私は結局叔父さんと今度一緒に行く事になったキルヒーちゃんのお父さんが保証人になってくれたお陰でなんとか行けました。有難い事です。それでその帰国保証書を完成させたのが22日。
後、必要なのが所属団体長の推薦状です。身分が不分明なほど外国へ逃げる確率が高いと思うのか、所属している会社か学校の代表の推薦状が必要になります。私の場合一応大学院に通っているので、大学の総長の推薦状って事になりますね。うちの学校の場合、先ず上の帰国保証書を確認してから、推薦状を書いてくれるシステムになってるのでこれを貰ったのが23日でした。
後はこれらが揃えば兵務庁に行って海外旅行許可書を貰います。これは1時間くらいでおりるので23日に貰えました。その後はこれを持ってパスポートを申請し、それを貰ったら大使館に行ってビザを貰うと言う寸法なんですが、何故だかは知りませんが韓国はクリスマスが休みとなってるので、もともと土曜と日曜日は休む大使館のスケジュールを考えると、その日、又は遅くても24日の午前まではパスポートを貰う必要があったんです。それで最初は26日くらいに出ると言うパスポートを「ふえ?、それでは駄目なんですぅ?。28日出発なんですよぉ?。T_T」と涙で脅し(?)、その翌日の24日の午前に貰いました。
あとは、身分が判らないか、無職の怪しいやつが自分の国に入られては困ると言うので(私の場合、それでなくても十分怪しいのですが)、在学証明書とパスポートを持ち、ビザを申請に。普通申し込んだ翌日に出るんですが、先も書いたように生憎翌日のクリスマスは何故か休日で、土曜と日曜は休みという事で月曜日の28日の午前にビザがおりるという事でした。
てな訳で、かなり無理をしたドタバタとした準備になりました。普通はもっと余裕を持って準備するべきだったんですが、何か今度は色んな面で行けるのかどうなのか、判らない要素が多かったんでスタートが遅かった分、大変な準備になりました。一時は本当に書類が出来なくて行けなくなるんじゃないかと思うくらい。とにかく行けて良かったです。
というわけで次のページからが旅行記になります。それと、すみませんが、次のページからは敬語は略させて頂きます。(^^;。その方がやはり書き易いし、言いたい事ももうちょっと言えそうな気がしますので。
ここまで使われた書類の数々:
@帰国保証書及び兵務庁提出用の書類3枚。
A保護者(親)の印鑑証明書1枚。
B保証人2人の印鑑証明書1枚+財産税課税証明書1枚+土地税課税証明書1枚(合わせて3*2で6枚)。
C大学の総長推薦状<勿論申請書が必要。あと、@ABの書類が必要。
D海外旅行許可書<@ABCの書類が必要。
Eパスポート<やはり申請書が要ります。あと、Dの海外旅行許可書が必要。
Fビザ<パスポート、在学証明書、主民登録書の前後面をコピーしたものが必要。当然申請書を書く必要があります。
要するに「マリーのアトリエ」みたいなもんです。最終的に必要なのはパスポートとビザだけなんですが、その為には
**が必要で、それを作る為には更にまた何かが必要になるという寸法ですね。
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