1998/06/26 02:36 まだまだ後があるさ。
うむ、韓国の20世紀最後のワールドカップは今日終わりました。4引き分け10敗という記録を残したまま。
今度は1引き分け2敗、それも得失点差-7という悲惨な結果を残す事になりましたが、まだ2002年が残ってるし、若い選手達の発展はまだまだ未来を期待させてくれました。
まず、今日のベルギーとの試合の結果ですが、うむ、1:1ですね。惜しかったです。このワールドカップに入って初めて自分達のサッカーが出来た試合でした。もっと早くからこういう試合が出来たら良かったんですが。
前半出始めなんか皆やる気が無さそうな動きでスタート直後に一点を取られた後からなんか吹っ切れたかのような動きになりました。その後からはずっと攻める様には見えましたが、正直ベルギーの手の平の上で遊ばれてるという感じでした。中盤では自由にプレイをさせといてサイドからの攻撃に入った時その人に二人または3人でプレッシャーをかけクロスを上げさせないというベルギーの守備戦略は韓国の単調な攻撃には結構効果的で前半は殆どまともな攻撃が出来ませんでした。正直、韓国の今の攻撃ラインで正面を切り開く個人技とかパスセンスはあまり期待出来ませんから、中央はゾーンディフェンスで守ってクロスだけ防ぐというこの戦術は結構利きましたね。
元々はこういう詰まった展開ではイ・サンユンのまぐれ狙い(笑)の変なプレイとかホン・ミョンボのキラーパスが必要となるのですが、イ・サンユンはこのワールドカップに入ってからあまりにもコンディションの悪さでスターターから外れていたし、ホン・ミョンボが攻撃に上がると守備に穴が空くという弱点は今までの二試合で痛いほど判った事だし、相手も勿論その弱点を知っているだろうからそうもさせられなかった結果、前半は中々攻撃の鍵が見えませんでした。
ただ、それだけホン・ミョンボが守備に回った事と、イ・サンホンの守備が良かった事、またはミッド・フィルダーの積極的な守備加担等があって守りは結構良かったです。皆で守るという意識がいつになく作用した試合でした。特にメキシコ戦でレッドカードを受け試合の流れを変えてしまったハ・ソクジュの守備参加が結構大事な場面で何度も光りました。攻撃でも冴えていましたし、彼は今日最高のプレイをやってくれましたね。
後半に入ってから陣営が大きく変わりました。まず、守備的ミッド・フィルダーとも言えるチェ・ソンヨンを抜いて守備のスペシャリストのイ・イムセンを入れました。それと今までゲームメーカーの役割をして来たキム・ドクンを抜いてコ・ジョンスを入れましたね。
意図としてはチ・ヨンスのワン・トップの負担を減らす為にコ・ジョンスとのツー・トップを作り、今までゲームメークをして来たキム・ドクンがあまり作用しなかったので守備にイ・イムセンを入れて守備を補強し、ホン・ミョンボを上げてゲームメーカとして使うというものでしょう。これは私がいつも考えてる韓国代表のベスト・チームに結構近いかたちだったんですが、何故か今まで殆ど使われた事が無いセットです。^^;。
うむ、何故このセットが使われないかと言えばやはりホン・ミョンボは一人しか居ないというのが問題ですね。^^;。韓国チームで最も良いパスを出し、攻撃の形を作れるプレイヤーも彼で、守備を全体的にコントロールし、いざという場面ではゴール前でのスイーパーの役割まで果たせるのも彼だったので今まではどうしても守備の中心として使われるケースが多かったせいですね。私の考えてるチームとしてはスイーパーの役割だけならイ・イムセンの方が優れてるので彼をスイーパーに使って、経験の多いキャプテンのチェ・ヨンイルに守備のコントロールを任せ、あとはイ・サンホンとチャン・ヒョンソクくらいで守備を固める形のフォー・バックにして、ホン・ミョンボがもっと攻撃に参加する形を作って欲しかったです。このフォーメーションなら彼のリベロとしての能力をもっと発揮出来たと思います。
とにかくホン・ミョンボが上がって来たお陰で相手のディフェンスの裏を狙うパスが出せる様になって、相手のディフェンスのラインが下がる様になり、本来持ってるサイドの攻撃も少しずつ活きるようになりました。今までは名などもオフサイドトラップにかかる事がありましたが、彼のパスのセンスがあったのでそれも容易には使えなくなりましたね。そういう良い形での攻撃が続いた結果後半の25分ぐらいについに同点が入りました。またもメキシコ戦と同じようにセット・プレイからの得点だったんですが、それまでの攻撃のリズムが良かったから入れられた得点でしたね。今度も蹴ったのはハ・ソクジュの左足からでしたが、本当に素晴らしいキックでしたね。ユ・サンチョルも良く跳び込んだと思います。正直私はユ・サンチョルの今までのプレイはあまり好きではありませんでしたが、今日は良いプレイをしてくれましたね。特に今までは全然見られなかったファイト溢れるディフェンスが結構良かったです。
それからは両チーム共にまるで昔チェーンで手を繋いで戦ったという格闘技のような殴り合いの続きでしたね。ベルギーは勝たなければ決戦への道が無い為に、韓国はワールドカップ14戦目で始めての勝利をかけて。両チーム共に何度も良い場面がありましたが、なかなか決まりませんでした。
特に後半戦の後半に入ってからは両チーム共に守備の消耗が激しくて何度も攻撃で良い場面が出る様になりました。韓国はイ・サンホンが抜けたのが結構痛く、それにイ・イムセンまで出血して厳しい守備になりました。本当に皆で気迫で守るという感じでしたね。
攻撃ではチ・ヨンスに2,3度決定的な場面があったのですが、このワールドカップに入って彼はなんか今一切れが無いんですね。いつもなら決めてくれるか、それでなくても結構相手をひやっとさせる場面を作ってくれた彼でしたが、全部無為になってしまいました。むしろこのワールドカップではコ・ジョンスが何度か良い場面を見せてくれましたが、彼も経験の不足で何度か躊躇してチャンスを逃した場面がありました。
結局最後まで試合は気迫の勝負でした。最後は皆足が止まっちゃってボールが自分の方に回ってきてもギリギリで辛うじてコントロールしてる気がしましたが、それがあえて悲壮感というかそういう雰囲気までも漂わせる試合でした。
結局結果は1:1.ベルギーは決戦進出が挫折し、韓国はワールドカップ最初の一勝を4年後までお預けする結果となりました。
韓国のワールドカップが終わってから考える事なんですが、結果は殆ど過去最悪とも言えるものでしたが、これからの事を考えればそんなに暗く考える事は無いだろうと思います。
まず、未来の韓国の攻撃陣となろうチェ・ヨンスやイ・ドングクは皆20歳前後です。2002年、2006年を考えれば非常に嬉しい事です。コ・ジョンスや今度は出られなかったユン・ジョンホワン等はミッド・フィルダーとして結構な才能を持ち、彼らもまだ20歳前後です。イ・サンホンやイ・イムセンはこれからも経験を積みもっともっと良い守備手となるでしょうね。今29歳のホン・ミョンボも体の管理に注意すれば2002年までは走れるでしょう。
ハ・ソクジュとソ・ジョンウォンがそれまで走れるかはちょっと不安ですが、チャ監督が代表チームに若い選手達を多く起用して来たお陰で代表チームには若い良い選手達が結構います。正直な感想としては彼が2002年までずっと監督をし、選手達を育ててくれたら結構なチームが期待出来たと思いますが、今となっては少しでもまともな人が監督になってもっと長い目で選手達を育てて欲しいです。正直まともな人が必要なのは監督より将来を見る目を持たず一度負ける度にゴロゴロと監督を首にし、韓国サッカーを駄目にしたお偉いさん達の方ですが。
とにかく最後の試合で韓国チームが久しぶりに後悔の残らないような良い試合をしてくれました。勿論出来れば勝ちたかったという気持ちは私を含む多くのファンもそれに選手達も物凄くあったろうと思いますが、いつもああいう試合が出来るんなら必ず勝つ日が来る事でしょう。上の阿呆らしい役員達は信じませんが、私は韓国代表を信じます。^^;。
ご苦労様でした。韓国代表。
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